檜原行

朝晩は冷え込む日も出てきました。晩秋、最後の紅葉を愛でるために初めて檜原村にいってきました。
 きっかけは、先月10/19付けの日経新聞の土曜版の「温泉食紀行」というシリーズ物の紀行文でした。都内の里山として秋川渓谷が紹介されていて、宿泊先には国の登録有形文化財に指定されている兜造りの「たから荘」が紹介されていました。女房がそれを見て、「こんな所に泊ってみたい」と何気なくいったので、なんとなく子供たちに空いている日を聞いてみると11/23-24だけ家族全員都合が付くじゃありませんか、「じゃあ、ダメ元で電話してみたら?」ということになりました。新聞でも紹介されているのだしダメだろうと思っていたのですが意外にもあっさり部屋が取れてしまいました。という訳で小笠原に続く2カ所目の都内旅行にいってきました。
 初日はまず青梅に向かい、日原鍾乳洞へいきました。8:20くらいに家を出て、R16から青梅街道に入るとすぐに紅葉した木々が目につき始めて2時間くらいで着きました。実は僕は子供の頃、日原鍾乳洞に来たことがあるのだけど、当時の印象はやけに砂埃の多い道をバスに揺られて行ったなあとか、セメント会社によって削られた付近の山が荒涼とした感じだったことを覚えています。が、鍾乳洞自体の記憶は残っていませんでした。30数年でそんなに緑が豊かになるものなのか分かりませんが、あるいは紅葉の季節が良かったのかもしれませんが、自然のあふれる水のきれいな所でした。鍾乳洞自体は旧洞と新洞に別れていて(つながっているけど)、旧洞は鍾乳洞らしさは今ひとつでしたが、結構広い(高さもある)空洞があって不思議な洞窟でした。新洞の方は対照的で狭くて縦によじ上る感じで大変ですが、石筍など見ることができました。以前行った秋芳洞龍泉洞は鍾乳洞の中を水が溢れんばかりに巡っていましたが、日原鍾乳洞は周囲にはあれだけ水量のある清流があるのに内部にはそういう所がないのが不思議でした。
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鍾乳洞を出て、お昼ご飯を食べてから車で奥多摩湖に行きました。途中の紅葉も奇麗で第一駐車場付近は車が渋滞していました。係員の方にちょっと離れた所にある第二駐車場を奨められて来てみると、車の入れ替わりもそれなりにあってすんなり駐車できました。第二駐車場付近は特にダム施設はないものの、ハイキングコースの帰着点で、土産物屋などもありました。ハイキングコースに入って少し登ると写真のようになかなかの眺望でした。登った甲斐がありました。でも頂上の展望台まではちょっと距離があったので女房と娘に却下されてあきらめて下山しました。
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奥多摩湖周回道路は素晴らしい紅葉でした。天気もよく多くのハイカーで賑わっていました。檜原村に抜ける尾根伝いの道は景色がよくてゆっくり走りたくなります。檜原村は東京都の端の端、「都民の森」という自然体験型施設があり、そこから少し下った数馬という所に今回宿泊した「たから荘」はあります。写真のように道路からは兜造りの母屋の上の方だけしか見えませんが、それでも十分雰囲気は伝わってきました。たから荘の内部はいくつかの建屋が繋がったちょっと複雑な構造になっていますが、意外に奇麗で古民家的な情緒はそれほどありませんでした。ここの温泉は蛇の湯温泉といい、特に日本秘湯百選にも選ばれているそうです。アルカリ性単純硫黄冷鉱泉の湯はぬるめでしたがゆっくり浸かることができてとても温まり、気持ちのよいお風呂でした。夕食は地もの、山の幸をふんだんに使ったもので、品数も多く、お腹いっぱいになりました。特に刺身こんにゃく、秋川牛、舞茸の天ぷら、鮎の塩焼き、〆の十割そばは逸品でした。どの料理も地酒によく合い、沢山呑んじゃいました。食前酒の柚子ワインはなかなか風味がよく、翌日檜原村の特産品販売所で買って帰りました。
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翌朝、朝食後にチェックアウトの時間まで付近を散歩しました。たから荘のすぐ下は小川が流れていて見事な紅葉に包まれていました、があまり遊歩道のようには整備されていなくてもったいない感じでした。街道沿いから少し登った所に今は廃校となった数馬小学校がありました。中を見ることができて親切な管理人さんが丁寧に案内してくれました。昔懐かしの足踏みオルガンや糸巻き機など子供たちには新鮮に映ったようでした。平成10年に廃校になってから、この辺りの子供たちは毎日バスで20 km離れた檜原小学校へ通っているそうです。思いがけず印象に残った場所でした。
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チェックアウト後は車で南秋川渓谷を抜けて、北秋川渓谷方面に向かい、途中の日本の滝百選に選ばれている「払沢(ほっさわ)の滝」を見に行きました。駐車場からしばらく渓谷沿いに緩やかに登るのですが、周囲の紅葉が素晴らしかったです。払沢の滝は2段に別れているそうです(写真の上の方に少しだけ見えているのが上段)。息子は「マイナスイオンだ~!」とご満悦。この滝は結氷するらしい。近くの木工芸品のお店の方が「冬の結氷した滝もいいよ」と教えてくれました。昼食後、2~3 km離れた所にある都指定天然記念物の「神戸(かのと)岩」を見に行きました。高さ100 mの岩と周囲の紅葉の対比が見事でした。その下にある岩の裂け目が渓谷になっていて歩道も整備されていて、岩の間からこぼれる紅葉の色がとても奇麗でした。
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14時半前くらいに神戸岩を出発し帰途に着きました。渋滞もほとんどなく16時前には帰宅しました。檜原村、豊かな自然に溢れ、村もそれを上手に宣伝して若い人、家族連れ、年配の方にも楽しめる素晴らしい土地でした。こんな素敵な場所が東京都内にあるなんて不思議です。神奈川の自宅からも2時間くらいで行けてしまう。いいですね。また行ってみようと思います。
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