お薦めのCD–6

ブラジルの素敵な唄を紹介します。
Ana Salvagniの「Alma Cabocla」(2008年)です。「Hekel Tavaresの音楽」という副題が付いています。エケル・タヴァレス(1896-1969)はブラジル北東部のアラゴアス州サトゥーバ出身で、晩年はリオで過ごした作曲家です。その作品集といってもあまりピンと来ませんし、唄っているアナ・サルヴァジニも初めて聞く名前です。このアルバムは雑誌LATINAで「徹底的にブラジルの田舎の音楽であろうとしている。」と紹介されているのが目にとまり、いったいどんな音楽だろう?と興味を持って買いました。
曲によって様々な編成(室内楽伴奏、二本のギターやアカペラなど)でエケルの曲が歌われているが、アルバムを通して音作りが素晴らしく、統一感があります。控えめだがよく練られたアレンジと力みのない歌声が、ブラジルの片田舎を連想させます。
アナ・サルヴァジニの三作目となるこのアルバムは、噛めば噛むほど味の染み出るスルメのような、耳に優しい、なんとなく口ずさんでしまう、繰り返し聞きたくなる素敵な作品です。
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Ana SalvagniAlma Cabocla」(2008年ブラジル)