東北行(3)

今年の東北行は通行可になったR6や開通したばかりの常磐自動車道を使って福島浜通りの様子を見て回る事でした。最終日4日目はいわきからひたちなかを抜けて帰宅です。

かんぽの宿いわきは新舞子の浜のそばにあり、5階の部屋からは一面オーシャンヴューです。朝から快晴で太平洋の水平線から登る日の出で一日がスタートしました。
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宿をチェックアウトして、海岸線沿いに南下しました。至る所工事中で地図通りには行きません。海岸線沿いを走っていて海の見えるところは漁港か津波で堤防が流されたところでした。海に張り出した岬がありのてっぺんに塩屋埼灯台がありました。震災時の様子などの展示もありました。至る所崩れたようですが奇麗に修復されていました。灯台には登る事が出来、そこからは津波で被害を受けたところとそうでないところが一目瞭然でした。あまり福島~茨城の津波被害の事は報道されていないようですが当然ながらここらにも大きな爪痕を残していました。
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いわきは炭坑の町という事で、また古い地層が露出している事から多くの恐竜などの化石が発掘されているという事で「いわき市石炭・化石館 ほるる」に行ってきました。恐竜や三葉虫の化石の展示や炭坑歴史など面白かったです。ジオラマがあり、浜通りの化石の分布や炭坑の分布が一目で分かるのですが、いわきを中心に浜通りを縦一列に分布していて、ここいらの隆起地形の変遷などに思いを馳せました。
 常磐自動車道をいわき湯本ICからいわき勿来(なこそ)ICまで一区間乗って、四時(しどき)川渓谷へ立ち寄りました。新緑や紅葉が奇麗なところらしく、近くを少しドライヴできればと思いました。しかし残念な事に四時川渓谷の向かう道は途中で通行止めになっており、入れませんでした。迂回して北寄りから近付こうと山道に入ってゆくと、とても新緑が美しくてせせらぎが流れ奇麗でした(右の写真)。途中から完全なオフロードになり自分の4WD車なら気にせずずんずん行けそうでしたが、今回は義父の車でしたのであきらめて引き返しました。海岸線沿いの復旧が優先されて、四時川周辺の整備にまで手が回らないのは仕方ありません。

いわき勿来ICからまた常磐自動車道に乗り、南下、日立南太田ICでおりて国営ひたち海浜公園へ向かいました。ICからの途中、東海原子力発電所日本原子力研究開発機構本部などの横を通りました。この東海村のすぐ隣がひたちなか市です。国営ひたちなか海浜公園は、ものすごく広くてよく整備されていて、車椅子でも快適に園内を巡る事が出来ます。今回旅の最後にここを訪れたのは、園内のみはらしの丘というところの「ネモフィラ」を見る為です。ぼくは不勉強で知らなかったのですが、写真のようにとにかく一面の青い花、まるで空と繋がっているようで、丘の上の人々が浮かんでいるようでした。
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丘のてっぺんまで登ると海側に広がる工業地帯が見えます。大きな煙突は東京電力の火力発電所です。素向こう側にはよく見えませんが東海第二原子力発電所があるはずです。このりっぱな国営の公園と原子力発電、なんだかいろいろと良くない想像をしてしまいますね。それに一つ間違えばこの周辺も廃墟になっていたかもしれません。奇麗な花を見ながらも少し複雑な思いでした。
 16時過ぎに帰途に着き、北関東自動車道常磐自動車道~首都高~東名高速と伝って19時半くらいに帰り着きました。本日の走行距離約350km。この4日間で、雄大な火山、美しい里山、清々しい渓流、豊かな海、改めて福島の自然の豊かさを実感した旅となりました。どんどん福島が好きになってしまいますね。今年の東北行、総走行距離1200km余りでした。
(おわり)