東北行(2)

今年の東北行は天気に恵まれて、恵まれすぎるほどで、4月末にも関わらず30℃を超えるような真夏日とまりました。

三日目の朝、南三陸のホテル観洋の部屋から眺めた志津川湾の日の出、水平線付近には少し雲がありましたがすばらしく奇麗でした。9時くらいに南三陸を出発、この日は海岸沿いにいわきまで南下の予定です。去年の東北行では時間の関係で女川に寄る事が出来ませんでした。女川は震災一年半後に仙台在住の友人に案内してもらい、非常に印象に残っていたところの一つでした。なので震災四年後の様子が気になっていました。南三陸からR398沿いに南下して来ると、海岸線近くまで山が迫り、とても緑豊かな印象でした。女川の町が近付いて来ると崖上に仮設家屋があったり、宅地造成の工事現場が増えてきました。とはいっても新緑に囲まれて全体の様子はよくわかりませんでした。中心地には最近まで津波で倒壊したビルがあったように思いましたが、既に撤去されて区画整理工事が進んでいました。山側を見上げると女川の市街地を中心に山を大規模に造成工事していました。まるで石灰岩を切り崩したセメント工場のようです。以前、訪ねたときは町の近くの高台にある女川地域医療センターから津波被害の惨状を見る事が出来、その光景が強烈に残っていました。すっかり瓦礫は撤去され、区画整理がどんどん進んでいるのがよくわかります。この医療センターの脇に写真のような石碑がありました。これは、将来、また襲ってくるであろう津波の被害に遭わないため女川中学の生徒達が知恵を絞り合って、自分たちで資金調達もして作ったものだそうです。海のそばに暮らしてゆく覚悟を感じます。そして今回の旅で津波被害に遭った町は盛り土と更に巨大な防波堤を作っているところを何カ所も見ましたが、女川はそれに比べて海を近くに感じます。職住を分離して住宅を高台に移転するようです。起伏に富んだ女川ならでは選択だと思います。きっとこれまでにも増して素敵な女川が再建されると信じています。
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以前訪ねて、石巻、松島、荒浜、閖上地区など気になっているところは沢山あるのですが、限られた時間だったので、ここはあきらめて三陸自動車道~川内東部道路~常磐自動車道と伝って、今回の旅の一番の目的であった福島浜通りに向かいました。
 新地ICで高速を降りて、まずは鹿狼山の麓の小高いところにあるフラワーガーデンに行きました。小さいですがよく手入れされた気持ちのよいガーデンで丁度藤の花が満開で奇麗でした。そこからR6に入り、「道の駅そうま」(右写真)で昼食を摂りました。売店ではおいしそうな海産物など沢山ありましたが、要冷蔵なので残念でした。更に南下して「道の駅南相馬」(左写真)にも立ち寄りました。ここで南相馬Tシャツをゲット!相馬も南相馬も思った以上に車の往来が多く、賑わっている印象でした。
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さらに南下すると、途中から帰宅困難地域に入りバイクや軽車両は通行不可になり、めっきり車が減ります。道の両側の露地や家屋の前にはバリケードがあり、侵入を妨げていました。浪江町双葉町大熊町富岡町とR6を南下しました。至る所に除染作業を示すのぼりがあり、枯れ葉などほとんど落ちてなくて妙に、のっぺりしていました。またそこここに除染で出た廃棄物を黒いビニール状モノに入れて野積みされていました。ホントにそこら中にありました。気が遠くなるほどの膨大な作業を続ける除染作業に従事されている方々はこれからの季節大変だと思います。時間の関係で常磐富岡から常磐自動車道でいわき中央まで行きました。常磐自動車道には所々に放射線量表示があり、富岡近くでは2.3μSv/h、楢葉か広野辺りまで来ると0.2μSv/hぐらいでした。この日は新舞子近くのかんぽの宿いわきに泊りました。
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この日の走行距離は約300kmでした。
(つづく)